(この辺は誰もが余裕ね♪)
…と、犬は語っていたが、山頂どころか、目指した山小屋を断念した。
大岳山の山小屋までは、比較的歩きやすい道で、
山小屋から山頂にかけてが、犬には難しい道だと記憶違いをしていたわたし。
さくさくと、歩いて行く先に、とつぜん鎖場が現れる。
(う~ん、鎖?嫌~な予感~。)
マジ?こんな早くに鎖場が出て来た…?
いや、鎖場というほど難所でもないじゃーんと歩き続けたが、
それが警告だった。
ちょっと、まずいなぁという道になってくる。
危ういと思った箇所を犬がなんなくクリアーし、次の鎖で、ここまでと断念する。
なのに、ご機嫌な犬は、目の上で、ご機嫌にしっぽを振っている。
あーーーーーっ!登っちゃったよぉぉぉばかぁぁぁーーーっ!
と、叫んでも仕方がないので、無言でわたしも登る。
振り返り見て、無理!この道、絶対無理!登れても犬には降りられない。
前方に目を移せば、もう山小屋らしきものが見えているのに、さらに道は険しくなる様子。
(こんな緊迫した場面のお写真なんかありませんよ。)
全然だめ!きびすを返し「戻るよ!」と、ためしに犬に言ってみる。
『ひゅ~ん(おりられましぇ~ん)』と、鼻を鳴らし尻が引けている。
泣いて降りられないくらいなら、はじめから登るんじゃねぇーーーっ!
と、最愛の犬に投げつける言葉でもないので、
冷静に、
モンベル製ドックキャリーハーネスを、ザックから取りだす。
こういう奴ですよ。犬は、ぱずーではありません(byモンベル)→ 家の階段すら降りられない、わたしの犬。 夫不在時、これを使って階段下ろしていてよーございましたん♪だ。 家庭内でトレッキングのトレーニングをする。(←そーなのか?)
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(ルート確認中は、鼻の穴がフンガーになっちゃう犬)
犬の山歩きにとって、危険なのは、登りではなく下りだ。
犬自身も怖いようだし、下手に頑張られて足を痛めては、元も子もない。
四つん這いになって、階段や坂の上から下を見下ろしてみれば、その怖さは一目瞭然だ。
躊躇する場所に来ると、犬はわたしの後ろに廻って、わたしの降りる道筋を確認する。
わたしが振り返り、指先で、こう~こう~こう~かな…とルートを描くと、
それを目で追い、その通りに降りてくる。
何度も一緒に歩いて、おりこうになった。
(雲に妖怪みたいな物が見えるのは、わたしだけか…?)
それでも、時々、待てを待てずに登ってしまう。
餌場に来ている鳥を追い払ってしまう。
凍えるような水に、入ってしまう。
犬なのだ・・・。
(ajiko、疲れたの?大変ね♪←とノー天気に言っているとしか思えない)
紺碧の空!
狼のだいぶ末裔な、わたしの犬。
犬が楽しければそれでいい・・・。
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